今年第1四半期、仮想通貨業界はハッキングによる損失は減少し、前年同期比で23.1%の減少となった。

ブロックチェーンセキュリティ企業Immunefiの 報告書 によると、2024年第1四半期のハッキング事件による損失総額は約3億3630万ドルに上った。前年同四半期の4億3750万ドルの損失と比較して23.1%の減少だ。

Immunefiの調査によると、仮想通貨業界は2024年第1四半期に46件のハッキング事件と15件の詐欺事件が発生した。

仮想通貨のハッキング事件 2024年第1四半期の損失額は前年同期比で23%減 image 0 Crypto losses from hacks, frauds and scams in Q1 of 2024. Source: Immunefi

Web3プロトコルにおける総ロック価値が増える中、分散型金融(DeFi)プラットフォームはハッカーの主要な標的となっている。Immunefiが特定したQ1の不正流出は100%がDeFiプラットフォームに関連していたのに対し、中央集権型(CeFi)プラットフォームはゼロだった。

2つのプロジェクトが損失の大半を占め、全体の43%を構成した。最大の攻撃は1月に発生したクロスチェーンブリッジプロトコルのオービットブリッジで発生し、8170万ドルの被害を出した。1月はQ1で最も損失が多かった月で、総額1億3300万ドルに達した。

Immunefiのミッチェル・アマドールCEOは、DeFiプラットフォームの秘密鍵侵害を受けやすいと強調し、コードとプロトコルインフラストラクチャ全体にわたるセキュリティ対策の強化が急務だとした。

第1四半期末には、ブラストベースのNFTゲーム「Munchables」に6200万ドルの攻撃があったが、ハッカーがMunchablesの資産を含むウォレットの秘密鍵を返還したため、24時間以内に回収が行われた。結果として、Q1に発生した7件の不正流出から盗まれた資金のうち、7390万ドル(22%)が回収された。攻撃件数も17.6%減少し、2023年Q1の74件から今年は61件となった。

Q1における損失の大部分はハッキングによるもので、46件の事件で3億2160万ドル(95.6%)を占めた一方、詐欺やラグプルは15件の事件で1470万ドル(4.4%)だった。イーサリアムは最も標的にされたチェーンで、次がBNBチェーンだった。両ネットワークは合計損失の73%を占めた。

イーサリアムは最も多くの攻撃を受け、33件の事件で損失の51%を占めた。BNBチェーンは12件の攻撃を経験し、損出資金の22%に相当する。その他の事件はアービトラム、ソラナ、オプティミズム、ビットコイン、ブラスト、ポリゴン、コンフラックスネットワーク、ベースで発生した。