トランプコイン、保有者限定でトランプ氏とディナー開催へ

トランプ（TRUMP）ミームコイン運営のトランププロジェクトは23日、上位220名のトランプトークン保有者を対象に、ドナルド・トランプ氏との限定ディナーイベントを開催すると 発表した 。

このディナーは2025年5月22日に、ワシントンD.C.にあるトランプ氏のプライベートクラブで予定されている。イベントはプライベートな形式で、服装はブラックタイ推奨。トランプ氏が 仮想通貨 の将来について、少人数で語り合う場となる見込みだ。

招待される220名のうち、特に保有量が多い上位25名は追加のVIP待遇を受けられる。具体的には、ディナー前のレセプションへの参加や、翌日のホワイトハウス特別ツアーが含まれる。

参加資格は、2025年4月23日から5月12日までの期間における平均トークン保有量によって決定される。参加希望者は、トランプコイン公式サイトで自身のウォレットを接続して登録し、上位入賞を目指してトークン保有量を維持または増やす必要がある。

この発表を受け、トランプトークンの価格は大きく反応した。一時は約70%近く急騰し、価格は約14.31ドル（約2,030円）、時価総額は約28.6億ドル（約4,061億円）に達したが、その後価格は一部落ち着きを見せた。

限定アクセスがもたらす影響と市場の反応

今回のイベントは、ドナルド・トランプ氏という著名な人物への限定的なアクセス機会を提供するものだ。この希少性がトランプトークンへの需要を高め、保有者間で上位220位以内を目指す競争を生んでいる。

このような仕組みは、トークンの買い圧力を生み出し、価格の変動や急騰の一因となる。特に上位25名に与えられる追加特典は、さらなるトークン蓄積への動機付けとなっている。

一方で、この動きは政治的影響力と 仮想通貨投資 を結びつけるものとして、批判の声も上がっている。特定のトークンを購入することで大統領へのアクセス権が得られるかのような仕組みは、倫理的な境界線を曖昧にするとの懸念が示されている。

さらに、トークン発行者がトランプ氏の関連組織と繋がりがあるとされる点も、規制当局の監視や世間の認識において複雑な要素を加えている。

仮想通貨と政治ブランディングの新たな交差点

主催者は、このディナーイベントのテーマを「我々が支持する全て：勝利！（everything we stand for: WINNING!）」と設定している。これはトランプ氏の選挙キャンペーンのスローガンを反映し、仮想通貨支持者の間でのブランドへの忠誠心を強化する意図がうかがえる。

参加登録と保有者ランキングの更新は5月12日まで続き、イベント開催まで継続的な関与とトークン取引活動を促す仕組みだ。

イベントの排他性は、参加に必要な保有額からも明らかである。発表時点で、25位の保有者は約1,300万ドル（約18億5,000万円）相当のトランプトークンを、220位の保有者は約35万ドル（約4,970万円）相当を保有しており、参加には相当な資金が必要となる。

総じて、このトランプ ミームコイン のディナーイベントは、仮想通貨文化、政治的ブランディング、そして社会的排他性が交差する新しい現象と言える。著名な政治的人格への個人的アクセスという約束が、市場の力学に大きな影響を与えている。