UAE拠点のデジタルイスラム銀行Ruya、シャリーア準拠の仮想通貨サービスを開始

UAEのデジタルイスラム銀行Ruyaがシャリーア準拠の仮想通貨サービスを開始

UAE（アラブ首長国連邦）拠点のデジタルイスラム銀行 Ruya は、シャリーア準拠の仮想通貨取引をアプリ内で提供する初のイスラム系銀行と なった 。

UAEに拠点を置くイスラム系デジタル銀行Ruyaは、UAE規制下のデジタル資産インフラプロバイダー兼暗号資産ブローカーである Fuze Finance が提供するインフラを活用し、顧客がモバイルアプリを通じて仮想通貨を直接売買できるようになった。同銀行は、シャリーア準拠の金融機関が規制された銀行業務の枠組みの中で仮想通貨取引を提供するのはこれが初めてであると発表。

Ruyaによると、顧客はビットコイン（Bitcoin/BTC）を含む特定のデジタル資産を、安全な統合モバイルプラットフォームを通じて取引できる。重要ポイントは、Ruyaが、利用可能なすべてのデジタル資産がシャリーア法の遵守について審査済みであり、ユーザーの宗教的許容性を保証することを強調した点である。

UAEにおけるデジタル資産への需要の高まり

今回のサービス開始は、UAEにおけるデジタル資産取引の急増と時を同じくしており、デジタル経済の統合が進む中、UAEへの仮想通貨流入額は2024年6月までの1年間で300億ドル（約4.3兆円）、42%の成長を記録している。

同銀行は、金融環境の変革に取り組んでいる。投資プラットフォームで仮想通貨を提供することで、顧客がデジタル経済に参加しやすくしている。Ruyaのクリストフ・コスター（Christoph Koster）CEO（最高経営責任者）は、このサービスは、デジタル経済への責任ある倫理的なアクセスを求める顧客の需要に応えることを目指していると主張したうえで、次のように 述べ ている。

ruya投資プラットフォームで提供している仮想通貨はシャリーア法に準拠しており、お客様に安心感を提供できることを保証できます。

同CEOは、銀行がこのサービスを通じて、透明性、強力なガバナンス、そして長期的な財務計画の促進に重点を置いていることを強調した。

倫理的投資とサポートに注力

Ruyaは、同社のプラットフォームは投機的な取引を抑制し、金融の回復力に重点を置いていると強調した。

投資フレームワークは責任ある選択を促し、過度のリスクと不確実性に対するイスラム金融の原則（Gharar）に沿っている。また、顧客サポートについては、コールセンターとコミュニティサポートチャネルを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。あらゆる投資取引において透明性とコンプライアンスを確保しながら、専門家によるガイダンスを提供することが目標であると述べた。

Fuzeのモ・アリ・ユスフ（Mo Ali Yusuf）CEOは、今回の提携は倫理的なデジタル資産と主流の銀行業務の融合における前進を意味するとコメント。また、両社の共同取り組みは、仮想通貨を検討している顧客にとって安全で使いやすい体験を提供することを目指しているとのべたうえで、次のように語っている。

ruyaとの提携は、仮想通貨を日常の銀行業務にシームレスに組み込むための大きな一歩です。Fuzeの最先端インフラと、ruyaの倫理的なイスラム銀行業務への取り組みを融合させていきます。