破綻した仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt. Gox)が、再びビットコイン(BTC)の移動を開始した。市場のボラティリティが高まる中、1万2000BTCが動いたことが確認された。

3月6日、ブロックチェーン分析企業アーカム・インテリジェンスは、Mt. Goxのウォレット(アドレス:1PuQB)が1万2000BTC(約10億ドル相当)を移動したと X上で報告した 。

同時に、166.5BTC(約1500万ドル相当)がMt. Goxのコールドウォレット(アドレス:1Jbez)へ送金され、残りの資産は未確認のウォレット(アドレス:1Mo1n)に移された。この未確認ウォレットには現在、1万1834BTCが保管されている。

アーカムのデータによると、Mt. Gox関連のウォレットは現在3万6080BTC(約32.6億ドル相当)を保有している。

今回の移動は、Mt. Gox関連ウォレットからの約1カ月ぶりのビットコイン取引となる。直近では、コールドウォレット間で4BTCを移動させる小規模な取引が確認されていたが、今回の送金の目的は不明だ

Mt. Goxは2023年12月にも、1620BTCを複数の不明ウォレットを経由して移動。その約2週間前には、2万4000BTC以上を送金していた。

Mt. Goxのウォレット、10億ドル相当のビットコインを移動 — ボラティリティが高まる中で1万2000BTC動く image 0

最新のMt. Goxのウォレット取引 Source: Arkham Intelligence

同取引所は2014年初頭に破綻。その後、Mt. Goxのビットコインが動いた際には、2024年から開始された債権者への返済と関連しているケースもあった。

昨年10月、Mt. Goxの破産財産を管理する管財人は、債権者へのビットコイン返済期限を2025年10月31日まで1年間延期すると発表していた。

今回のビットコイン移動は、仮想通貨市場のボラティリティが高まる中で行われた。市場は3月4日に発効した米国のトランプ大統領の関税政策の影響を受けており、リスク資産全体が動揺している。

ビットコインは、3月3日に9万4770ドルまで上昇したが、3月4日には8万2681ドルまで急落。その後、3月5日には9万ドルを回復した。