分散型取引所（DEX）でのデリバティブ取引は、中央集権型プラットフォームよりも安価で流動性の高い選択肢を求める投資家が増える中で、今年倍増すると予測されている。

DEX取引量は132%増、2024年に1.5兆ドルに到達

dYdXが発表した 2024年エコシステム年次レポート によると、DEXでのデリバティブ取引量は昨年132%増加し、過去最高の1.5兆ドルに到達した。特に、パーペチュアルDEXの取引量は1月の810億ドルから12月には2420億ドルに急増した。

この成長率が維持された場合、2025年のDEX取引量は3.48兆ドルに達する可能性があるとdYdXは予測している。

さらに、DEXはスポット取引市場でも成長を続けており、市場シェアは9%から20%へと倍増した。

分散型取引所（DEX）でのデリバティブ取引 2025年には3兆4800億ドルに倍増＝dYdX予測 image 0

パーペチュアルDEXの取引量は2023年以降急増 Source: dYdX

DEX人気の背景：取引手数料の低さと投機資産へのアクセス

DEX取引量の急増は、仮想通貨市場全体の強気相場を反映しているが、それだけではない。DEXは取引手数料の低さと、より投機的な資産へのアクセスを提供することで、多くのユーザーを惹きつけている。

例えば、ソラナ上のDEX取引高はミームコインブームの影響で急増している。1月初旬には、ソラナ上のDEXの日次取引高がイーサリアムとBaseを合わせた 取引高を超えた ほどだ。

米国の新規報告義務が追い風になるか

仮想通貨に友好的なトランプ政権の発足にもかかわらず、米国の中央集権型取引所（CEX）に適用される新たな報告義務により、多くのトレーダーがDEXへ移行する可能性がある。

2024年から、米内国歳入庁（IRS）は、中央集権型取引所やブローカーに対し、仮想通貨取引の報告を 義務付けている 。この規則は、2027年にはDEXにも 適用される予定 である。

IRSは、このルールによって「投資家が正確な納税申告を行えるようになる」** としているが、業界関係者の中には政府の過剰な介入と捉える向きもある。

ブロックチェーン専門家のアンディ・リアン氏はコインテレグラフに対し、「この規制により、ユニスワップやパンケーキスワップのようなDEXへユーザーが流れるリスクが現実のものとなる」と述べている。

また、現在はDEXでの税務執行が困難な状況にあるが、ブロックチェーン解析技術の進化や、2027年までの規制の進展により、この状況は変わる可能性があると指摘した。

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