トランプ政権の仮想通貨政策責任者サックス氏　トランプコインは「野球カードのようなもの」

ホワイトハウスの仮想通貨政策責任者であるデイビッド・サックス氏は、ドナルド・トランプ大統領のミームコインをコレクティブル（収集品）に例え、この物議を醸すトークンが新政権において利益相反を引き起こしていないと主張した。

1月23日に FOXニュースに出演した サックス氏は、デジタル資産にはさまざまな形態があり、その中には証券として扱われるものもあれば、非代替性トークン（NFT）やミームコインのように収集品として扱われるものもあると語った。

「トランプコインは収集品だと思う。 野球カードや切手のようなものだ」とサックス氏は述べ、「人々は何かを記念したいという理由で購入している」と続けた。

12月6日にホワイトハウスの仮想通貨・人工知能（AI）政策責任者に 任命された サックス氏は、トランプ氏のミームコインを巡る混乱の原因は、前政権による規制指針の不備にあると指摘した。

「過去4年間、バイデン政権は基本的に仮想通貨企業を訴追し、迫害してきた。その結果、多くの企業が海外に拠点を移してしまった」と述べ、さらに以下のように付け加えた。

「バイデン政権は、企業にルールを提示せず、その後で訴追していた。業界が最も求めているのは規制の明確化である」

FOXビジネスに出演したサックス氏  Source: Fox Business/YouTube

トランプ氏の大きな選挙公約の1つであるビットコイン（BTC）の戦略準備金について質問された際、サックス氏「デジタル資産の国家準備について評価している。まだ構築はしていないが、この問題を研究していく予定だ」と語った。

トランプ氏は1月23日にデジタル資産に関する 最初の大統領令に署名し 、「米国を仮想通貨の世界的首都にする」ための作業部会の設立を指示した。

トランプコインを巡る論争 

ミームコインの「オフィシャル・トランプ（TRUMP）」は、トランプ氏の大統領就任式の数日前である1月17日にソラナブロックチェーン上でローンチされた。このコインはわずか48時間で73.43ドルの高値を記録し、時価総額は120億ドルを超えた。

しかし、トランプ氏が「これについてあまり知らない」と 発言した 後、TRUMPの価値は 急落した 。現在、コインマーケットキャップによれば、TRUMPの価格は約33ドルとなっている。

TRUMPの価格は最高値の半分以下に. Source: CoinMarketCap

このミームコインは、トランプ氏が仮想通貨支持を掲げるプラットフォームから利益を得ているとの批判を引き起こしている。

米アメリカ大学の議会・大統領研究センターの創設者であるジェームズ・サーバー氏は、トランプ一家のミームコインが「恥ずべき重大な利益相反」を表していると ガーディアンで語った 。

民主党のジェラルド・コノリー下院議員は、米下院監視・政府改革委員会に対し、トランプ氏の仮想通貨プロジェクトが彼の職務と矛盾していないか調査するよう 要請した 。

さらに1月22日、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、米国の金融規制当局と倫理局に対し、大統領とファーストレディの仮想通貨トークンに関連する倫理的および法的懸念を調査するよう 求めた 。

一方、ビットゲットリサーチのアナリストであるライアン・リー氏は、ミームコインが多くの新規投資家を仮想通貨市場に引き込んだが、その多くは仮想通貨を投資対象として適切に評価する方法を知らないと指摘している。

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