ドイツの証券取引所であるベールゼ・シュトゥットガルトは、2024年に仮想通貨サービスの提供により大幅な収益増を記録した。

ベールゼの仮想通貨取引量は2024年に3倍に増加し、同社の昨年の収益の25%を占めたと、ベールゼ・シュトゥットガルトグループのマティアス・フェルケルCEOが 1月15日のバロンズ でのべた。

2024年末には、ベールゼが顧客のために保有する仮想通貨の総額が43億ユーロ（約6900億円）に達し、ビットコイン（BTC）が総取引の約50%を占めていた。この取引所はドイツ語圏の国々を中心に、100万人以上のプロおよび個人投資家を集めたという。

CEOは仮想通貨市場に強気

報道によると、フェルケルCEOは仮想通貨が今後も人気を増すと予測している。その理由の1つとして、ビットコインの供給が限られていること、投資家からの需要が増加していることを挙げた。フェルケル氏は自身もビットコインに投資していることを明かし、その基盤となる改ざん防止技術を称賛した。

仮想通貨サービスを拡大するために、ベールゼは流動性プロバイダーや銀行との提携を進めている。フェルケル氏は 12月30日の発表 で「デジタルビジネスにおいて、DZバンクや協同組合銀行グループとの仮想通貨取引と安全な保管においてパートナーを結び、すでに展開が始まっている」と語った。また「アマゾンウェブサービスとの提携を通じて、ヨーロッパ全土の金融機関向けに我々の機関投資家向け仮想通貨インフラをさらに拡大する基盤を築いた。ミュンヘン再保険との協力により、仮想通貨のための保険付きステーキング提供を開発した」とも述べている。

仮想通貨市場は米国中心となるか？

フェルケル氏は、ドナルド・トランプ次期大統領による仮想通貨の規制緩和を受け、仮想通貨市場が米国中心になるとの考えに疑問を呈した。「ヨーロッパの市場はポジティブなダイナミクスから恩恵を受けている」とフェルケル氏は語った。

ベールゼ・シュトゥットガルトは2019年に仮想通貨取引サービスを開始し、最初はビットコイン取引からスタートした。その後、イーサリアムのステーキングサービスなどさまざまなサービスを追加し、仮想通貨の提供を拡大してきた。

欧州連合（EU）内での仮想通貨取引は、2024年末に完全施行された暗号資産市場規制（MiCA）のもとで規制されている。業界関係者らは、MiCAは初期の展開で過剰規制の懸念があるものの、仮想通貨業界にとって大きな前進になるとみている。

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