SEC、ツイッター株の開示不備でイーロン・マスクを提訴
SECがツイッター株の開示不備でイーロン・マスクを提訴に踏み切る
SEC (米国証券取引委員会)は、 テスラ (Tesla)および スペースX (SpaceX)のCEOとして知られるイーロン・マスク(Elon Musk)氏に対し、ツイッター株に関する情報開示不備を理由に証券法違反で提訴した。
この問題は市場の透明性と公平性を問う重大な事例として注目を集めており、SECの主張によると、同氏はツイッター株の9.2%を取得した際、法律で義務付けられた「スケジュール13D」フォームの提出を 10日間遅延させた 。この遅延により、投資家に重要な情報が行き渡らず、マーケットの公正性が損なわれたとされる。
また、SECは、開示義務を怠ったことにより、同氏が株価変動に影響を与え、少なくとも1億5,000万ドル(約235.3億円)を過少に支払った可能性を指摘している。2022年3月には、同氏がツイッターの発行済み株式の9%以上を保有していたが、開示が遅れた結果、ツイッター株価は公開翌日に27%急騰し、他の投資家が不利な状況に置かれた。
市場全体への影響
SECは同氏によるこれこの行為が、市場全体の透明性を損ない、不公平な取引環境を助長したと述べている。
こうした状況は市場の信頼を損ね、金融システム全体への影響を懸念する声が高まる中、同氏は次のように主張している。
SECの提訴は不当であり、規制当局が不必要に私の行動を制限しようとしている。
同氏はさらに、ツイッターで次のように非難。
Totally broken organization.
They spend their time on shit like this when there are so many actual crimes that go unpunished.
— Elon Musk (@elonmusk) January 15, 2025
完全に壊れた組織。
実際に罰せられない犯罪がたくさんあるのに、彼らはこんなくだらないことに時間を費やしている。
重要な問題が放置されている中で、小さな手続きの問題に注力する姿勢を批判した。過去にもマスク氏はSECとの対立を繰り返しており、規制当局を「官僚的な妨害」として批判。今回の発言も、支持者からの反響を呼び、SECの対応に疑問を投げかける議論を巻き起こしている。
提訴の影響と今後の展望
この提訴は、金融市場全体に広がる波紋を引き起こしており、大企業の経営者がマーケットに与える影響力をどのように管理すべきかという議論が再燃している。
また、今回の訴訟がマスク氏の他の事業、テスラやスペースXに及ぼす影響にも注目が集まっている。専門家は、この提訴が長期化する場合、規制強化の動きがさらに進む可能性を指摘。この事件を契機に、企業経営者に対する規制のあり方が再考される可能性があり、SECの提訴が成功するか否かにかかわらず、この問題は市場における透明性の重要性を改めて浮き彫りにした。
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