資金調達：トランプ関連の暗号プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」が失敗した理由

ドナルド・トランプと関連のある暗号プロジェクト、ワールド・リバティ・ファイナンシャル（WLF）は、「巨大な何かで暗号の世界を揺るがす」との壮大なビジョンを掲げました。

しかし、そのトークンセールは全くそうではありませんでした。

プロジェクトの資金が潤沢に流れ込むどころか、セールの初期目標に近づくことすらできませんでした。トークン供給の20%を15億ドルの評価で販売し、3億ドルを調達することを目指していましたが、これまでに集めたのはわずか1350万ドルです。目標の5%にも達していません。

投資家はその理由を見つけるのに苦労しませんでした。今週初めに発表された13ページの「ゴールドペーパー」で、WLFはトランプ家と関連のあるDT Marks DEFI LLCが、ネットプロトコル収益の75%とトークンセール価格でのWLFIトークン3億3750万ドルを受け取る権利を持っていると述べました。Kenetic Capitalの共同創設者でマネージングパートナーのJehan Chuは、これが「プロジェクトの投資観点からの実現可能性について、最も熱心な支持者でさえ疑念を抱かせた」と述べました。

Animoca Brandsの共同創設者でエグゼクティブチェアマンのYat SiuもChuに同意し、全体が「少し現金を集めるためのもののように見える」と述べました。

「トランプは暗号業界への支持を示していますが、彼と彼の家族は、ネットワーク効果の共有とコミュニティ構築に非常に関係するweb3の精神とエートスを本当に理解していることをまだ示していません」とSiuは述べました。

Chuは、WLFIトークンセールが米国の認定投資家に限定されているため、一般の小売投資家が参加できなかったことも指摘しました。また、WLFの5人の共同創設者のうち2人、Chase HerroとZak Folkmanの信頼性に対する疑念が投資家の関心を薄れさせた可能性があるとも述べました。

HerroとFolkmanは以前、7月にハッキングで200万ドルを失ったDeFiレンディングプロジェクト、Dough Financeを共同設立しました。彼らはまた、米国全土で複数の訴訟に関与していると報じられています。例えば、2017年には、Herro、Folkmanらが不動産会社から賃貸物件に7万5000ドル以上の損害を与え、11か月分の家賃を支払わなかったとして訴えられたと言われています。この件は2019年に和解され、両者は主張を否定しました。Folkmanはまた、「女の子を家に連れて帰り、セックスをすることを目的とする」と説明したデートアドバイザリービジネスを運営していたとも報じられています。

弱いトークノミクスと共同創設者の物議を醸す歴史は、WLFを取り巻く唯一の懸念ではありません。プロジェクトは、イーサリアム上でAaveのv3プラットフォームのインスタンスを立ち上げ、イーサ、ラップドビットコイン、ステーブルコイン、そして潜在的には他のデジタル資産の流動性を提供し、Layer 2ネットワークScrollに拡大する計画です。Asymmetric Financialの創設者兼CIOのJoe McCannは、これを「5年前には革新的だったただの借入/貸付アプリ」と表現しました。さらに、プロジェクトのゴールドペーパーは、WLFIトークンが少なくとも1年間は譲渡不可能であることを明記しており、流動性に関する懸念を引き起こしています。その期間が過ぎた後でも、ガバナンスの変更が承認され、適用法に準拠する場合にのみ取引が可能となり、投資家の選択肢は限られています。

トークンセール中に技術的な問題が発生し、ウェブサイトが不十分なオートスケーリングのために長時間クラッシュしたことも助けにはなりませんでした。

この件に詳しい情報筋はThe Blockに、WLFIの公開トークンセールの1350万ドルという数字が必ずしも全体像を示しているわけではないと語りました。一部の購入者はウェブサイトを介さずにチームを通じて直接購入しています。しかし、それを考慮しても、プロジェクトは悪いスタートを切ったことは明らかで、ここからは厳しい戦いになるでしょう。

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