機関投資家とビットコイン上場投資信託(ETF)保有者の未実現利益はわずかであり、短期的な売り圧力はあまり発生しないと思われる。では、ビットコイン(BTC)価格が6万ドルを下回ったことは、局所的な底だったのだろうか。

ビットコインETF保有者の未実現利益はわずか1.6%

CryptoQuantのデータ によると、短期的なビットコインのクジラ、つまり1000BTCを最大155日間保有している投資家の未実現利益は、保有資産のわずか1.6%だ。

ビットコインは底入れしたか? 「半減期到来で強気に転じる」=ブロックスクエアCEO image 0 BTC unrealized profit ratio for whale and miner cohorts. Source: CryptoQuant

CryptoQuantの創設者兼CEOである キ・ヨンジュ氏 によれば、一方で155日間以上1000BTCを保有しているクジラのコホートは223%の未実現利益を持っているという。「このサイクルを終わらせるには十分な利益ではない」と、同氏は4月19日の投稿で書いている。

小規模なマイニング企業の未実現利益は131%であるのに対して、大手マイニング企業のコホートは81%上昇している。多額の未実現利益にもかかわらず、最大の5つのマイニング企業はビットコインの半減期に備えて売却していない。4月10日の ビットワイズのレポート によれば、ビットコインのトップ5マイニング企業による売却は、2024年第1四半期に2年間で最低に落ち込み、5大マイナーが合計で約2000BTCを売却した。

ビットコインは底入れしたか? 「半減期到来で強気に転じる」=ブロックスクエアCEO image 1 Bitcoin mined vs. Bitcoin sold by top 5 miners. Source: Bitwise

ビットコイン価格は4月16日と19日に6万ドルを下回ったが、その後6万5000ドルに向けて 反発した 。そのため、テクニカルアナリストはBTC価格が「ダブルボトム」パターンを形成した可能性があると見ている。

ビットコインは底入れしたか? 「半減期到来で強気に転じる」=ブロックスクエアCEO image 2 BTC/USDT, 4-hour chart. Source: TradingView

今週の下落後、主要なテクニカル指標も買われ過ぎの領域からリセットされた。例えば、ビットコインの日足チャートの相対力指数(RSI)は46となり、3月17日のビットコインが買われ過ぎだった時の76から低下し、中立的な水準までになった。

ビットコインは底入れしたか? 「半減期到来で強気に転じる」=ブロックスクエアCEO image 3 BTC/USDT, 1-day chart. Source: TradingView

RSIは、最近の価格変動の大きさに基づいて資産が売られ過ぎか買われ過ぎかを測定するために使用される人気のあるモメンタム指標だ。

ビットコインは底入れしたか?

今週初めにビットコインが6万ドルを下回ったことは、市場の局所的な底を示している可能性があると、デファイアンス・キャピタルの創設者兼CIOであるアーサー・チョン氏は主張している。「非常に高い確率で、それが局所的な底だった」と、チョン氏は 4月19日の投稿 でのべた。

さらに、ビットコイン価格は4時間チャートの重要なチャネルから脱出した。これは次に7万2000ドルが来るかもしれないと、仮想通貨トレーダー、サトシ・フリッパーの 4月19日の投稿 で指摘している。

ビットコインは底入れしたか? 「半減期到来で強気に転じる」=ブロックスクエアCEO image 4 BTC/USDT, 4-hour chart. Source: Satoshi Flipper

米国の現物ビットコインETFからの機関投資家の純流入は、半減期の週にマイナスに転じた。 Duneによれば 、4月18日には、ビットコインETFが累計で1億4700万ドル以上の純流出を見た。

ビットコインは底入れしたか? 「半減期到来で強気に転じる」=ブロックスクエアCEO image 5 Bitcoin ETF net flows. Source: Dune

ETFの流入の減速がビットコインの価格下落の主な原因であり、これから来る半減期で強気に転じると、ブロックスクエアのCEO兼創設者であるデニス・ペトロヴィッチ氏はコインテレグラフに語った。「半減期後の価格下落を予想する人もいるかもしれないが、持続的な機関投資家の関心と減少したブロック報酬がBTC価格を安定させ、典型的な『ニュースで売る』の影響を避けられるだろう」と彼は語った。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。