ビットコイン(BTC)の大手マイニング企業5社は、ビットコインの半減期による報酬の50%削減にもかかわらず、ビットコインを売却していない。

ビットワイズの レポート によると、2024年第1四半期に最大のマイニング企業5社が売却したビットコインの総量は約2000BTCにとどまり、2年間で最低水準を記録した。前回、最大のマイニング企業5社の売却量が2000BTC以下となったのは2022年第1四半期のことだった。対照的に、2023年第4四半期には5社で7000BTC以上を売却している。

このレポートは、ビットコインの半減期が迫る数日前に公表された。半減期は、マイニングされたブロックごとのビットコインのブロック発行報酬を6.25BTCから3.125BTCに減少させるものだ。ビットコインのハッシュレートが継続的に増加する中、半減期後にはマイニング企業の収益性が打撃を受ける可能性がある。

ビットコインの半減期が迫る中でも、マイニング企業上位5社はBTCを売却せず image 0 Bitcoin Mined vs. Bitcoin sold by Top Five Miners. Source: Bitwise

一部のマイニング企業にとって厳しい見通しであるにもかかわらず、ビットコインマイニング企業の収益は四半期ごとに30%増加し、2022年第4四半期から3倍に上昇した。ビットワイズによると、ビットコインマイニング企業の収益は45億ドルを超えた。

ビットコインの半減期が迫る中でも、マイニング企業上位5社はBTCを売却せず image 1 Bitcoin Miner Revenue by Type. Source: Bitwise

アシェロン・トレーディングの ローラン・ベナヨンCEO によると、ブロック報酬が半減するにもかかわらず、ビットコインマイニング収益は米ドルベースでは必ずしも減少するとは限らないという。「ドル換算で、半減期後にマイニング企業が悪化するとは明らかではない。むしろその逆だ […] マイニング報酬の減少は、ネットワーク手数料の増加によって補償されるだろう」。

しかし、歴史的にビットコインマイニング企業の収益は、ビットコイン半減期後の数ヶ月で減少してきた。2020年の半減期後の1ヶ月でマイニング収益は40%減少し、2016年の半減期後には月間収益が51%以上減少した。

ビットコインの半減期が迫る中でも、マイニング企業上位5社はBTCを売却せず image 2 Bitcoin Halving: Total Miner Revenue. Source: Bitwise

大手マイニング企業5社の中で、マラソン・デジタルが2024年第1四半期に最も多くのビットコインをマイニングし、2500BTC以上を生成したが、これは2023年第4四半期の4000BTC以上から減少している。

ビットコインの半減期が迫る中でも、マイニング企業上位5社はBTCを売却せず image 3 Bitcoin Production by Top Five Miners. Source: Bitwise

しかし、マラソン・デジタルは1BTCあたり22,249ドルという最も高いマイニングコストを記録しており、シファー・マイニングは同四半期中の平均コストが8,626ドルだった。一方2024年第1四半期のビットコインの平均価格は53,534ドルだった。

現在、世界中のビットコインマイニング企業は70万BTC以上を保有しており、これはビットコイン総供給量の3.4%に相当する。ビットワイズによると、ビットコイン供給量の大部分、つまり57%(1200万BTC)は個人によって保有されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン