仮想通貨取引所SBIVCトレードとSBIグループのビットポイントは11日、トラベルルールの対応ソリューションであるTRUSTを導入すると発表した。SBIVCトレードは24日から、ビットポイントは18日から導入する。両社はこれまでSygnaのみに対応していた。TRUSTとSygnaの双方に対応する日本の仮想通貨取引所は初めて。

日本の仮想通貨取引業者はマネーロンダリングやテロ資金供与対策として、出金依頼人と受取人に関する情報を出金先に通知する「トラベルルール」に対応する義務がある。この情報送信ソリューションとして、日本の仮想通貨取引所はTRUSTやSygna、グローバル・トラベル・ルール、Notabeneなどを採用している。

特に国内取引高1、2位を占めるビットフライヤーとコインチェックは、TRUSTを導入。一方でSBIVCトレードやビットポイントをはじめとして、国内の多くの取引所はSygnaを採用しているが、双方のソリューションには互換性がなく、同じ方式を採用した取引所同士にしか直接送付ができないことが課題となっていた。もし送付するにはユーザー自身のウォレットを介す必要がある。

ビットポイントは「お客様の利便性向上の観点から、SygnaとTRUSTの両ソリューションを導入し、入出金可能な国内暗号資産交換業者の範囲の拡大をいたします」と述べている。

ただ、SBIVCトレードからビットフライヤーやコインチェックへの出金はTRUST導入日から可能だが、ビットフライヤーやコインチェックからSBIVCトレードへの入金可能時期は未定だという。ビットポイントも発表の中で、TRUSTを採用するビットフライヤーやコインチェックとの相互テストを経た後に入出金が可能となるため、入出金の実施可能時期は未定という。

SBIVCトレードとビットポイント、Sygnaに加えTRUSTにも対応へ｜両ソリューション対応は国内初 image 0

トラベルルールの各社の対応状況＝SBIVCトレード発表資料から引用

ビットポイントの担当者によると、これまでソリューションがどちらかしか採用できていなかった理由として「各ソリューションの導入には大規模な開発（入出金システムとの連結）や提供元との調整等、交換業者にとってはかなりリソース」が必要であり、「トラベルルール開始時には当社含め各国内交換業者は基本的にはどちらかのみの対応とならざるを得なかった」という。また、ビットポイントやSBIVCトレードと同様に両ソリューションの導入が他社でも今後行われ、顧客の利便性が向上すると期待しているとした。