英裁判所、クレイグ・ライト氏の12億円の資産凍結を命じる
英国裁判所は3月28日、クレイグ・ライト氏の670万ポンド(約12億8000万円)の資産凍結を命じた。ライト氏はビットコイン創設者サトシ・ナカモトであると偽証した裁判で敗訴判決後、英国外へ資産を移動しようとしていた。
今回の決定は、ライト氏がビットコイン(BTC)の創始者であるサトシ・ナカモトであるという主張が法廷評決で否定された後、資産の一部を英国外に移したことを受けたものだ。英国の 裁判所文書 によると、ライト氏は18日、裁判費用の支払いを逃れるためにロンドンの会社RCJBRホールディングの株式をシンガポールの法人に移した。ジェームズ・メラー判事は次のように述べた。
"当然のことながら、COPA側はライト博士が裁判での敗訴のコストと結果を回避しようとする策を実行しているという深刻な懸念を抱いた"
裁判長は、仮想通貨特許公開同盟(COPA)による、総額670万英ポンドにのぼる裁判費用に対処するための「全世界凍結命令」を支持した。
COPAは"仮想通貨技術の採用と進歩を奨励し、成長とイノベーションの障壁となる特許を取り除くため "、2020年に設立された。コインベースやブロック、メタ、マイクロストラテジー、クラーケン、パラダイム、ユニスワップ、ワールドコインなど33の企業や団体で構成されている。
ライト氏はオーストラリア出身のコンピューター科学者。2021年1月、自身こそがサトシ・ナカモトであると主張し、ビットコインのホワイトペーパーを公開している2つのウェブサイトに対し削除を要求した。しかし、同年4月、暗号資産特許同盟(COPA)がライト氏の主張を虚偽として訴訟を起こし、2023年3月に裁判所はライト氏がサトシ・ナカモトではないと断定した。
ライト氏は2023年、ビットコインのホワイトペーパー、ファイル形式、データベースに関する著作権侵害を理由に、ビットコインコア開発者13人とブロックストリーム、コインベース、ブロックなどの企業を訴えている。
これに対し、ビットコイン法的防衛基金は、著名なビットコイン貢献者に対する不当な訴訟が横行し、開発者への時間、ストレス、費用、法的リスクの増加によって開発を阻害していると指摘している。
なお、ビットコインのホワイトペーパーは現在、MITオープンソースライセンスのもとで公開されており、誰でも自由にコードを再利用、改変することが可能だ。
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