ビットコインの半減期が近づく中、NFT(非代替性トークン)分野の専門家たちは、このビットコインのマイルストーンが仮想通貨だけでなく、NFTエコシステムにも好影響を与える可能性があると予想している。

ビットコイン半減期 NFT取引にも好影響をもたらす【専門家に聞く】 image 0 ビットコイン半減期のカウントダウン Source: CoinGecko

アトラス・デベロップメントの最高財務責任者であり、NFTプラットフォーム「Enjin」の主要な貢献者であるオスカー・フランクリン・タン氏は、NFTの価格が「半減期後に急騰する」と考えている。

タン氏は、ビットコイン(BTC)への関心がNFTやアルトコインなど他のエコシステムに波及するとと主張する。「価格と取引高はサイクルの一部として、半減期後に最終的に急騰するはずだ。NFTは確立されたエコシステムのセグメントであるため、ビットコインからの関心がNFTにもアルトコインと共に波及する」とタン氏は語った。

タン氏はコインテレグラフに対し、これは特にアルトコインのエコシステム内で統合されたNFTに当てはまると語った。これらは、プロフィール画像(PFP)プロジェクトとは異なるNFTで、トークンのエアドロップを受け取るものやトークンゲーティングで使用されるデジタルコレクタブルだと説明した。

NFTマーケットプレイス「ミンタブル」の創設者ザック・バークス氏は、技術の将来的な成長や採用を正確に予測することはほぼ不可能だが、ビットコインの価格が上昇するにつれて、NFTの取引量が増加することを期待できると語った。「もし半減期がユーザーエンゲージメントも促進するなら、NFT価格の上昇トレンドが期待できるだろう」とバークス氏は述べた。

ビットコイン・オーディナルズへの影響

バークス氏はまた、ビットコイン・オーディナルズがBTC価格の上昇によって「直接的な影響を受ける」とも語る。バークス氏は、何年にもわたってビットコインエコシステムで重要な参加を果たせなかったビットコイン保有者がいると信じている。

「これは、今まで使うものがなかったビットコインの使い道ができたことを意味し、価格が上昇するにつれて、これが増幅される。7万ドルを突破すると、ビットコインを購入したことのあるすべてのユーザーが利益を出し、これは遊ぶためのより多くのお金があることを意味する」とバークス氏は語った。

タン氏も同じ見解を示し、ビットコイン・オーディナルズをビットコイン上場投資信託(ETF)のナラティブの「明らかな受益者だ」と説明した。「もしETFがビットコインをデジタルゴールドとして確立するなら、オーディナルズはマザーチェーン上で不変のデジタルゴールドによる彫刻として確立されるだろう」とタン氏は述べた。

一方、BNBチェーンのシニア・ソリューション・アーキテクトであるジミー・ジャオ氏は、半減期がBTC報酬が減少した後のマイナーの収益生成において、オーディナルズがどのように役立つかを浮き彫りにすると説明した。オーディナルズがマイナーに2億ドル以上の取引手数料を生み出していることから、ジャオ氏は、半減期が手数料とマイナー収益に影響を与えるため、オーディナルズが後押しされる可能性が高いと語った。

ビットコイン半減期の中でのNFT採用

ジャオ氏はまた、半減期がより広い規模でのNFT採用に影響を与える可能性があると考えている。同氏は、半減期が主流メディアで認識されるとドミノ効果を引き起こす可能性があるとし、「これにより、より多くの人々がNFTの実用性に触れ、そのユースケースを理解するだろう」

バークス氏も同様の見解を表明した。ミンタブルの創設者は、半減期が広範な仮想通貨セクターの「無料マーケティング」として機能し、新しい個人を引き付ける可能性があると語った。同氏は「これらの新規参入者が暗号資産エコシステムに統合されるにつれ、単に取引所でBTCを購入するだけでなく、NFT、DeFi、取引以外のアプリケーションを含む広範な暗号資産およびWeb3エコシステムとの関わりを開始するだろう」と説明した。

一方、タン氏は半減期が新しいNFTやデジタルコレクタブルに焦点を当てたマーケットプレイスの出現に影響を与えるだろうと予想する。ビットコインがNFTと「ますます絡み合っている」ため、ビットコインが注目を集める際には、NFTの採用もそれに続くだろうとみている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン